mitsutabi

2019/01/18 11:52



長崎・五島列島を舞台に、自分と向き合う新しい旅の形を提案する「みつめる旅」。


五島の毎日の暮らしの中には、旅する人が心あらわれる風景がたくさん眠っています。

 

懐かしい感情を呼び覚まさしてくれる風景、

生きる喜びが湧きおこる風景、

大切な人と一緒に眺めたくなる風景……

 

そんな風景を、五島列島で活躍する写真家のみなさんと一つ、一つ丁寧に掘り起こしていくプロジェクトが、「毎日が絶景」PROJECT in 五島列島です。写真家さんがレンズを通して切り取る、心にしみる五島の絶景。そこから、感じること、考えること、気づくことが、きっとあるはず。


今回の「毎日が絶景」は、巻き網船団の出航。


 

夜明け前後、これから3週間にわたり漁に出る船を見送りに港に人が集まります。家族や友人、船を出している会社の社長や社員のみなさん。普段はデスクワークをしている経理や事務の人まで、みんなが漁の安全を願って手を振ります。

 

巻き網船が出航するのは、旧暦の19日頃。満月が過ぎて夜空がだんだんと暗くなり始める時期です。

 

日本海や対馬沖、遠くは東シナ海まで出かけていく巻き網漁は、過酷です。寒さや船酔いに加えて、事故の危険とも常に隣り合わせ。乗組員のなかには、高校を卒業して初めて漁に出るという10代の男の子も。たくさんの荷物を船に詰め込む息子の姿を、心配そうに見つめる両親の姿を目にすることもあります。

 

次に母港に戻るのは、旧暦の13日頃。それまでどうかケガをせずに元気でいてくれますように。防波堤の先端で並んで手を振る仲間たちと、それを見守るマリア像。五島の夜明けの風景です。



写真を撮った人:廣瀬健司
生まれも育ちも五島列島・福江島。東京で警察官として働いたのち、1987年に五島にUターン。写真家として30年のキャリアを持つ。2001年には「ながさき阿蘭陀年 写真伝来の地ながさきフォトコンテスト」でグラプリを受賞」。五島の「くらしと人々」をテーマにした作品を撮り続けている。2011年には初の作品集『おさがりの長靴はいて』(長崎新聞社)から出版。地元の若手写真家の育成にも尽力する、五島愛の塊のような熱い写真家。